最初の人間ミナカヌシと、進化を促す神仕組み【神話の真実にせまる】その5

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創造の息吹と「ス」の神

宇宙の始まりは、大元の神様の吐く息によって生まれました。

その音は、「ハアー」とか「ふー」といったものではなく、人間の全ての言葉の根源である「スーッ」という、清浄な響きでした。ですから、私たちは大元の神様のことを「スの神様」ともお呼びします。

それは最も音なき声音でありながら、宇宙の出発点となった始まりの音でした。その「スーッ」という響きは無限に広がり、万物を陰と陽にわけ、この世の全てを形づくる五つの元素をつくりだしたのです。

はじめの人間、ミナカヌシの時代

その五元素が、気の遠くなるような時を経て絶妙に混ざり合った時、はじめての人間が誕生します。

しかし、一番最初の人間といっても、今のような男女の姿をしていたわけではありません。その姿は、まだ人間とも人間でないとも言い表せないような、定まらないものでした。ですがそれは、まぎれもなくスの神様の分け御霊(わけみたま)を宿した、はじめの人間「ミナカヌシ」でした。歴史は、この「ミナカヌシの時代」から始まります。

そこからまた、想像もつかないほどの時間をかけて、人類はゆっくりと進化し、数を増やしていきます。次第に姿ははっきりと男と女に分かれ、生殖によって子孫を増やし、やがて集団で生活する「群れ」のようなものも形づくられていきました。

生きるための闘い

文化と呼べるものもまだなく、暮らしを便利にする道具も持たないミナカヌシの時代。人々はただ、その日を生きることで精一杯でした。食べ物を探し、手に入れるだけでも大変な苦労が伴う、そんな原始の時代が非常に長く続いたのです。

そんな中、地球に大きな気候変動が起こりました。

はじめに訪れた温暖化で海面が上昇し、沿岸部では海産物が豊富に獲れたようです。これは、人類が数を増やす上で大いに役立ったことでしょう。しかし、その後、今度は一転して寒冷化が進み、海面が下がると食べ物は乏しくなり、それまでと同じ生活はできなくなりました。

生きるため、人々は住み慣れた土地を離れて移住するしかありませんでした。そして、新しい場所で新しい暮らしを築き、異なる文化を発展させていくことになったのです。

このように、人類の黎明期は自然の大きな営みに翻弄され、飢餓にも見舞われました。しかし、食べ物を求めて移動し、その中で少しずつ知恵を働かせて文明の礎を築いていったこの大きな気候変動もまた、人類の進化に不可欠な「神仕組み」だったのです。

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