己が心、世界の雛形
世が乱れておると嘆く者よ。 政治が悪い、時代が悪い、人が悪いと、外を指差して責める者よ。
その指を、己が胸に向けよ。
世界を覆う黒き雲、その正体を知りたるや。
そは、工場の煙にあらず。 皆々が日々、人知れず吐き出し続ける悪しき感情の集積なり。
心の中でならば、何を思っても良いと思うておらぬや。 誰にも迷惑をかけておらぬと、高を括っておらぬや。
そは、大いなる錯覚なり。
念いは、目に見えぬ力なり。
口に出さずとも、腹の中で煮えくり返らせた怒りは、瞬時に毒気となりて虚空へ放たれん。
己が陰で抱いた嫉妬は、鋭き刃となりて空間を切り裂く。
その毒が、空を淀ませ、地の気を腐らせておると知れよ。
遠き国の戦争を他人事と思うな。
一人一人の心にある小さな争いが共鳴し、凝縮して現れた姿なり。
己が隣人を憎むその響きが、巡り巡って誰かの殺意に火を点けん。
己が発した不平不満が、世界のどこかで嵐となりて吹き荒れしものなり。
天変地異は、神の怒りにあらず。
積もり積もった人の穢れを払わんとする、大地の悲鳴と知れ。
世界を浄めたくば、まず己を浄めよ。
外の空気を清めるよりも、己が心より毒を吐くを止めよ。
一人の穏やかなる心は、千人の悪意を中和する光となる。
己が感情に責任を持て。 己の心一つが、この世を地獄にもし、極楽にもする、その恐ろしき真実に目覚めよ。



