無我と真の意志
我を消すとは、志を失い、無気力に流されて生きることにはあらず。
保身、損得、他者との比較、そして結果を思い通りに動かそうとする執着を完全に手放すことなり。
我に囚われる者は、常に自己をよく見せようと構え、損を恐れて身を守り、評価ばかりを見張らん。
なれど、その小さき利害に固執する限り、恐れと迷いから逃れることは叶わぬ。
真に我を消すとは、評価や見返りを求める心を捨て、ただ今目の前にある持ち場、引き受けた役割に全身全霊を注ぎ切ることなり。
結果を支配しようとする作為を捨て、為すべきことに集中し切れ。
自己の功績を誇る心が消え、純粋に行為そのものに徹するとき、そこに働く意志は私欲を超え、天地の理に沿った確かな力とならん。
我を捨てて徹する者にこそ、迷いなき不動の決意と真の働きが宿るものなり。




