揺るがぬ真の土台と富
人よ。金や物を持つことそのものは、悪にはあらず。
日々の持ち場を保ち、命を繋ぐために手元へ巡り来たる富は、現実の務めを果たすための確かな力なり。
戒むべきは、持つことそのものではなし。
形ある富を、己の生命の土台と錯覚することなり。
金を命綱となし、物を誇りの盾となす時、人は外なるものの多寡に心を奪われ、恐れと執着の虜となる。
天地の間に、初めより止まりてある富などなし。
富とは固定された所有にあらず、流れ、巡り、手渡されゆく大いなる循環そのものなり。
己の手元にある富も、その循環が一時として預けられしものに過ぎず。
持てるものを己の保身の糧となすなかれ。
開かれし手のひらの上に載せ、命を養い、持ち場の誠を尽くすためへと正しく通せよ。
外なる富に己の命を預けるをやめ、自らが大いなる循環の通路たることに立ち返れ。
すべてが巡りの中にある理を足元に据え、執着なく手渡してゆく者にこそ、外の崩壊に揺るがぬ真の土台が定まると知れ。



