真の悟りと万物一如
人よ。悟りとはいかなるや。
真の悟りとは、己の正しさに固執する心、他者と競い裁く心、未来への恐れや過去への後悔、そして悟りたしと願う執着すらもことごとく手放し、己の器を完全に空にすること、それに尽きるものなり。
要らぬ力みと執着の泥をすべて洗い流し、器が雲ひとつなく澄み切ったとき、外より何かを付け足さずとも、魂の奥底に元より宿る神の光は、おのずと輝かん。
器を空にせし者は、自分と他者を隔てる迷いの壁が崩れ去り、天地のすべての人が、同じ神の氣から生まれし一つの命であることを、魂の底より感得するものなり。
他者は己と無関係な存在にあらず。
すべての人間がひとつの命を共に生きていると悟ったとき、人を敵として競い、争う理由は完全に消え去らん。
他者を大切にすることが、己を大切にすることそのものであると真に知るがゆえに、心からは怒りと裁きが消え、違いを許し包み込む深い愛と寛容が、呼吸のごとく絶え間なく湧き出でるものなり。
真に悟りし者は、現実から逃げることはなく、世が激流の渦中にあろうとも、決して恐れず、力まず、ただ澄み切った氣と美しき言霊を放ち、今この瞬間のありふれた日常を、愛と感謝にて淡々と生き切る平常心を宿すもの。
執着をすべて手放し、天地万物と一如となりて、目の前の足元の暮らしそのものを尊き神事として生き切る命の内にこそ、真の悟りは現れ、新しき世を照らす光とならん。




