人は生かされるもの
人は皆死を恐るる。
命あるものは全ていずれ死するが定めなり。
なれば、魂をできうる限り磨きて生を全うせねばならぬ。
人が今、人としてこの世に存在するは奇跡なり。
想像もつかぬ奇跡の連続にてこの世に生を受けし命なれば、その有りがたさを思わば、自殺も他の命を奪うもできるはずが無し。
今の世、自分で自分の命絶つ者増ゆるは悲しきかな。
肉体滅ぶも魂は消えぬ。自殺はさらなる大きな因縁を背負い、決して楽にはならぬ。
人は生かさるるもの。それは奇跡なりと悟り、生を全うするべし。
生きる力
人は真に追い詰められし時、はじめて真に生き抜く力わき起こる。
全ての欲を捨て、命と人々の絆こそ人にとって最も大切なりと気づかさるる。
過ぎたる年の大地震、失いしものなんと多かるや。
自然の力は時に人の想像を遙かに超えん。
人の考える安全の基準などあてにはならぬ。自然の驚異の前には無力なり。
さなる自然の猛威を体感したる人々には、人を思いやる心の大切さ、家族の大切さ、人と人とが助け合うことの大切さ、そして自然の大切さもその恐怖と共に刻み込まれたり。
立て替え立て直しのこの時。震災を体験したる人々には、その経験を語り、いかなる時も勇気を持ち生きねばならぬこと、人は生かされしことを伝え、これから先の世の人々の生きる指針となる役割ありなん。
自然と共存し生きる知恵は自然の恐ろしさを身を以て体験した者のみぞ知る。