神話の真実にせまる4
『人間のそのはじめはおよそ人間とは言えぬ生命体なり。
目も鼻もあるにはあるれど茫洋として感情もなし。
人類の歴史にある、猿人、原始人と呼ばるる人類は、それよりさらに人間にとっては気の遠くなるような先のことなり。
人間はそのはじめは、知りえず歴史にも残らぬなれど、知るも必要なきこと。
ただ、猿が進化したものと申すものあるなれど、人間は猿にあらずなり。
神が神の分け御霊与えられたる神の子なり』
人間という生命を、この世に送り出す為に気の遠くなるくらいの長い年月と、いろいろな奇跡のような出来事が繰り返し起こされました。
そして私達が経験したことのない天変地異や、氷河期や火山の大噴火や星の衝突隕石の落下などが起こり、日本でも170〜180万年前、穂高岳でカルデラ噴火がおきました。
300年前の富士山の大噴火の1000回分に当たるほどの噴火だったそうです。
9万年程前には阿蘇でカルデラの最大級の破局噴火が起こりました。
鹿児島で鬼界カルデラが噴火したことがあります。
そのような想像を絶する産み出しの現象を経て、この世を浄め、人間が住みやすい地球という星が創られました。
宇宙の大いなる御意志が、もしも人間は必要はないとお考えになられたなら、かつてのような噴火活動や天変地異によって人間を淘汰することも簡単にできるのです。
そのような事を考えつつ、次回から初めての人間の誕生の物語になってまいります。
神話の真実にせまる・その5
宇宙の始まりは、大元の神様の吐く息によって生まれました。
その音は、ハアーとか、ふーとかいう音でなく、人間の言葉の大元であるスーッという音です。
ですから、大元の神様の事をスの神様とも呼びます。
最も音のなき声音であり、宇宙の始めの出発の音であるスーッという響きはどこまでも広がり、全てを陰と陽にわけ、万物事象を形づくる五元素をつくりだしました。
その五元素が長い時を経て上手く混ざりあい、はじめての人間が誕生します。
はじめに、今のような男と女の組み合わせで誕生したかどうかはさだかではありませんし、一番最初の人間といいましても、その姿も、まだ人間とも人間でないとも言い表せない様でした。
しかしそれは、スの神様の分け魂をもった、ミナカヌシと言うはじめの人間であり、その時代をミナカヌシの時代と呼びます
そこからまた、気の遠くなるような時間をかけて少しずつゆっくりと進化し繁殖していくことになります。
次第に男と女にはっきり分かれ生殖活動をするようになり、集団で生活をする群れのようなものもできるようになりました。
そんな、まだ文化と呼べるようなものもはっきりとないようなミナカヌシの時代は人は生きることで精一杯でした。
まだ生活のための道具もなく、食べ物を調達するのも大変なことでした。
そんな時代がかなり長く続いたのです。
そんな中大きな気候変動が起こりました。
温暖化が進み、海面が上昇したことで、この時期には海産物がたくさんとれたようです。
人間の繁殖に大いに役に立ったのではないでしょうか。
しかし、その後、今度は寒冷化が進み、海面が下がって食べ物もなくなり、それまでと同じ生活ができなくなりました。
ですから、人々は移住するしかなく、別の場所での新しい暮らし、文化を発展させていくことになりました。
このように、人類のはじめは自然の営みによって食料調達が左右され、飢餓も起こりました。食べ物を求めて人は移動し、また少しずつ知恵を働かせ文明を作り上げていくという感じで、この時期の大きな気候変動も人類の進化に必要な神仕組みだったのです。