神話の真実に迫る・その24
イサナギ、イサナミをはじめ、トヨケ、すべての人の希望を一心に背負い誕生された御子はイミナをワカヒトと名付けられました。
ワカヒトの外祖父である五代目、タカミムスビのイミナ、タマキネのトヨケはヒタカミの政り事の改革に取り組み、人の心に余裕を与え、オモタル時代の食料生産を復興しました。
トヨケは、政り事の達人であり秀でた教育家でもあり、いろんな分野にも長けている方でした。
智力の大きさも、実行力も、何者にも例えることができないほどでした。
トヨケは青年期に達したワカヒトをヒタカミに引取り、直々の教育をされたのです。
トヨケの孫のイミナをフリマロと言われ(後の七代目タカミムスビ)を学友として、アメのミチを学ばれました。
トヨケの影響は大きく、アマカミとなってからの政り事にはトヨケの教えが色濃く表れ、一生尊敬してやまない祖父だったのです。
宮崎県阿波岐原(旧檍村)、産母という土地あたりにフタカミが巡業中、江田神社付近、ワカヒトの弟であるイミナ、モチキネ(ツキヨミ)が誕生し、青年期になるとやはり、兄、ワカヒトと机をならべ、トヨケの教えを学ぶ事になります。
次に、三重県熊野市で三男のイミナ、ハナサキが生まれました。
それが後のソサノヲの誕生です。
幼い頃は淋しい幼年時代をおくられたと思われます。兄二人はトヨケのもとで学んでおり、両親は、多忙で、あまりかまってもらえずそして物心つく頃には、あまりにすぐれた兄の存在があり、ソサノヲは精神的に打ちひしがられていたと思われます。
ワカヒトがアマカミになりアマテルとなられたあと、ソサノヲはとんでもない事件を引き起こすことになります。
神話の真実に迫る・その25
ヒタカミの祖父トヨケの弟子となり、ヤマト宮に入られたワカヒトはくる日もくる日も帝王学、天成道、を一生懸命学ばれました。
学友として、フリマロがいつもお側におられ、そのうち弟も一緒に学ぶことになりました。
トヨケは、厳格な教師としてヤマトのクニをお作りになられたクニトコタチの永遠の思想を余すことなくお教えになられました。
クニトコタチの永遠の思想は日本国の根底に流続けているものなのです。
また、人の道(アメナルミチ)も、講義されました。
ワカヒトは非常に熱心で、トヨケもびつくりさせられることがあるほどでした。
その頃、両親のイサナギイサナミは相変わらず忙しく巡業や政事に全力を尽くされていました。
この頃にイサナギイサナミの政事の象徴としてトリヰをおつくりになられました。
ひとつの柱はトノオシエ、ひとつの柱はサカホコを意味する二柱を建てヌキという潤いを表現する橋渡しの柱を通わせた建造物をトリヰと名づけられたのでした。
それがいつの頃からか神社の鳥居となったのです。
フタカミは巡業や政事で多忙で末のハナキネ(ソサノヲ)をかまってあげる暇はあまりなかったでしょう。
甘えたい盛りのハナキネの性格がひねくれてしまったのは淋しさも大きかったのではないでしょうか。
ハナキネは大声で泣き喚いたり、穀物の種をわざと二重に撒いてみたり、いたずらが手におえなくなり、母のイサナミとしては見過ごす事ができず、熊野の宮を建てられたのです。
折しもいちど外に出されたヒルコ(ワカヒメ)を宮に呼び戻され和歌などを教えておられた頃、とんでもない事が起こってしまいました。。
ハナキネのイタズラが過ぎての事故で、イサナミは命を落とすことになってしまうのです。
神話の真実に迫る・その26
いたずらの過ぎるハナキネ(ソサノヲ)に困り、母のイサナミは熊野神社を建て、そこに二人で籠もり、タミの役に立つ事を教育したり、一緒に作業をされたりしていたある日のことです。
ハナキネの火遊びで熊野神社が焼けそうになり消そうとして、イサナミは火傷を負ってしまい、それが原因でお亡くなりになられたのです。※野焼きの火が燃え移って火傷をしたという説もあります。
イサナギはその時お留守で、お戻りになられたのは、既に葬祭が終わった後でした。
妻の死を知りイサナギは嘆き悲しみました。
お二人で力を合わせ苦楽を共にし、このヤマトのクニを改革してきたのです。
妻を失った悲しみは深く、妻にひと目会いたいとイサナギが言って譲りませんでした。
周囲は遺体がどのような状況なのか、分かっておりましたので、必死に止めましたが、それを振り切り、イサナギはイサナミに会いに行かれたのです。
墓に入り、そこでイサナギが目にされたのは、無残にも朽ち果て面影さえも無くなった妻の変わり果てた姿でした。
妻はそのような姿を見せたくなかった筈、イザナギは悔みに悔やまれました。
そしてその夜イサナギが見た夢は、なぜ私の姿を見に来たのですかと問責を受ける夢でした。
イサナミは熊野市有馬の花の窟神社に葬られたそうです。
この話が元となり、神話では妻の死に悲しみのあまり、イサナミを黄泉の国まで追いかけたという記述になっているのです。